13日の日曜日は入れ替え「さ」戦第二戦、まあ仙台の攻撃力と磐田の急造守備陣から考えて0−0はまずないだろうので、勝った方がJ1というわかりやすい試合になると思っていた。
磐田は快晴、照りつける太陽は暖かく、風もさわやかでまるで9月のように暑かった。
ゲンかつぎに、磐田サポなら割引のきく「せんざん」でトンカツを食べる。
ヤマスタに着いてびっくり、大量のベガルタサポの姿が。まるで浦和戦のときのようだ。サポーターの、この試合にかける思い入れを感じる。
私とツレも列に並びながら二人でレプユニになるが、それがマスコミの目をひき取材依頼される。コメントを取りたいらしかったが、私は余裕なく口を開いたら吐きそうなくらい緊張していたので、ツレが取材を断ってくれた。
入場し、常夏の磐田で太陽にあぶり焼かれながら迎えた試合二時間前。監督、コーチ、選手たちがコートを着て挨拶に現れた。そのとき、思いもよらぬことが起きた。私の両目から、滂沱の涙があふれ流れたのだ。
試合前に泣くなんて不吉なことをしてしまった、止めなければと思うのに、鼻水までも出てくる始末で、私はタオマフで顔をぬぐいながらうつむいていた。
そして選手コール時。私は戦力外負傷退場することになった。詳しくは
こちらに書いたが、「ハンス オフト」コールのときに手を打ちながらチラとベンチを見たその一瞬、シュート練習のボールが左手の小指に直角にぶち当たったのである。
小指の関節が、逆に折れ曲がっていた。ひっぱって自分でまっすぐに戻したものの、激痛ゆえ医務室を探してさ迷う。スタジアムの警備員さんにはよくしていただいた。
医務室で湿布を巻いてもらい、スタジアムに戻る。もはや、開戦直前だった。12ボードを掲げることすら、できなかった。
前半、ナジソン選手のきわどいシュートがはずれ、ヒヤヒヤしていたが、その後うれしい松浦選手の先制ゴール。調子を上げるチームにはこんなラッキーボーイがいて、沈滞したチームを救うものだ。
そのまま後半に突入したが、仙台が積極的に選手交代をしてきて怖い。平瀬選手は今回初めて見るので、怖さを感じた。
だが、磐田の選手も負けじとがんばっていた。
駒野選手は、この日代表クラスの実力の片鱗を見せてくれた。ひとりで自分にパスして仙台DFを抜き去るなど、個人技が冴えていた。
それはようやくフィットしてきたロドリゴ選手もそうだったし、負傷を押して出た鈴木選手、ヒザの痛みに耐えながら走った前田選手もそうだった。
仙台が前が仮になったところを突いた松浦選手の二点目が決まり、幻の前田選手ゴールもあって磐田優位かと思われた。
だが、長きJ2の一年を戦いぬいてきた仙台もここで終わるはずがない。後半の猛攻、一点返されてしまった磐田はバタつき、ロスタイム4分はサポーターの心臓によくない時間だった。
だが、DF陣のカラダを張った守りと川口能活GKのスーパーセーブでこの苦しい試合をなんとか勝利することができた。
試合終了後、仙台の選手たちはヤマスタのピッチ上にるいるいと倒れていた。そして、川口GKも倒れていた。まさに死闘だった。
磐田のこの惨状を招いたのは、サッカーに愛のない社長を長期戴いていたこと、黄金期の選手がすごすぎて選手を世代交代のタイミングを逸したこと、監督人事の拙さにあると考える。とりあえず、踏みとどまったが未来はけして明るくはない。
それでも、この死闘を乗り越えた選手たちならば、来年もなんとかJ1の舞台に踏みとどまってくれると信じたい。
まずは有能な監督人事と、外国人枠をマジメな当たり助っ人で埋めることからだな…。
指? 折れてたみたいです。今、超痛いです。月曜日までガマンだ。