その選手の名を初めて目にしたのは2004年、アテネオリンピックに向けた予選に関しての新聞記事だったかな。
膝のじん帯の大ケガから復帰して、U-23代表の不可欠な戦力として期待されているという内容だったと思う。
果たしてその選手は、その期待にじゅうぶん沿う活躍を見せてくれた。
世界的に人材難なポジション、サイドバックを両翼こなせる右足、左足ともに正確なキック、無尽蔵のスタミナ、能力の高さが一目でわかる筋肉の詰まったケツ。
五輪後フル代表に呼ばれて、ドイツ大会に出場。
そして我らがジュビロ磐田に移籍することになり、期待して迎えることになった。
しかし、どんなすごい選手も上手く行かない時だってある。
広島時代、当時ジュビロで全盛期の力を発揮していた村井選手とマッチアップして、全く歯が立たなかった。
ジュビロに移籍してからもチーム戦術と会わないのか、なかなか活躍できなかった時もあった。
それでも昨年からフィットしてきて、素晴らしいフリーキックからのゴールを決めたり、目にも止まらぬ速さのクロスを前線の選手に合わせてアシストを記録したりと、コンディションが上がっているのがわかった。
思えば代表チームには必ず招集され、昨シーズンはリーグ戦全試合フル出場。その中で調子を維持してきたのだ。
しかし、世界最高峰の戦いであるW杯の決勝トーナメントで120分走りまくって、微妙なコントロールが利かなかったのかもしれない。
でもほんのちょっと、運に左右されるような微妙なズレだった。
勝手なことをいう奴はニワカだよ!
スタジアムに足を運んでJリーグを見ていれば、あの場所に立っていることが、あのプレッシャーにさらされることがどれだけすごいことか。
そして、あと2週間もすればJリーグは再開される。
今は悔しいだろうけれど、また素晴らしいプレイを見せてくれるさ。
テレビで見たあの選手が、すぐ近くで活躍するんだよ!
とても楽しみだ。そして拍手で迎えたい。
ありがとう、これからもがんばれ、駒野選手!